本当の親孝行とは何なのでしょうか。親に万が一のことがあった場合、後悔しないようにできることはやりきりたいものです。本記事で親孝行とは何か、また親は何をしたら喜ぶのか、親の目線も取り入れながら解説していきます。
親孝行とは?親孝行の意味
親を大切にすること
「親孝行」とは、親を大切にすることです。辞書には「親に真心をもってつかえ、大切にすること。親に孝行を尽くすさま」と記載されているように[1]、親のことを考え、大切にする気持ち自体が親孝行なのです。
[1]出典: 親孝行とは(コトバンク)
みんなは何をやっている?親孝行ランキング
他の人がどのような親孝行をやっているのか、気になりますよね。
アンケートの1位は「プレゼントをする」です。これは誕生日や母の日・父の日など、イベントでお祝いする人が多いためと考えられます。
また「話し相手になる」「一緒に外食をする」など、日常で取り入れられるものも上位にランクインしています。ギフトだけでなく、日常的なコミュニケーションが重要だと考える人も多いとも受け取れます。
[2]出典:家族愛に関する調査2021調査結果(ジブラルタル生命)
本当の親孝行とは
本当の親孝行とは何なのでしょうか。前述の通り、プレゼントや食事を思い浮かべる人が多いようですが、今度は親の立場から見てどのような親孝行を望んでいるかを見ていきましょう。
親が嬉しい親孝行とは
アンケートによると、1位は「元気な姿を見せてくれる」で、2位以降は「一緒に外食してくれる」「一緒に旅行をしてくれる」「話し相手になってくれる」と、子どもとのコミュニケーションについてが上位にランクインしています。
先ほどの子どもがしている親孝行の1位が「プレゼントをする」でしたが、親目線からだとベスト10にもランクインしていないのが興味深いです。
このように考えると、本当の親孝行とは、親へのプレゼントそのものや金額ではなく、その根底にある「親を大切にする気持ち」や、子どもが元気で幸せで過ごし、コミュニケーションを取れることなのではないでしょうか。
親孝行したいと思う理由やきっかけ
親孝行をしたいと思うきっかけは何なのでしょうか。下記のように、節目のタイミングや人生の転機を迎えた時が多いと言われています。
- 昔の親の年齢に近づくにつれて
- 祖父母など身近な人の死を経験して
- 久々に帰省したときなどに、親の老いを感じた時
- ハタチの誕生日で成人になった時
- 初任給をもらった時
- 金銭的に余裕ができた時
今からできる親孝行のやり方17選
では具体的には何をすれば良いのか、今からできる具体的な親孝行のやり方について紹介していきます。
子どもが健康で幸せに過ごす
親は子どもの幸せを一番に願っています。親のことを考えるのも大切ですが、何よりもまずあなた自身が健康で幸せに過ごすことが親の幸せでもあります。
こまめに連絡する
子どもの幸せを願うあまり、「邪魔したくない」という思いから、子どもに連絡をしにくい親も多いようです。子どもが今日あった出来事、最近撮った写真、どんなことでもあなたのことを知れると親は喜びます。連絡はできる限りこまめにしてあげましょう。
月1回電話をする
遠く離れて住んでいて、なかなか頻繁には会えない人もいるかと思います。なので電話で声を聞かせてあげてはいかがでしょうか。電話だとテキストだとわからない親の状況も知ることができますし、親も子どもの声が聞けると嬉しくなるものです。
元気な姿を見せに会いに行く
直接会うことはやはり喜ばれます。親の世代は、仕事も定年を迎えたりと人間付き合いも年々少なくなってきます。遠くに住んでいると頻繁に会うことは難しいかもしれないですが、ゴールデンウィークや年末年始など、長期休みがあればぜひ会いにいってあげましょう。事情があって帰省が難しい人も、LINEやZoomなどのビデオ電話で顔を見せてあげることもおすすめです。
結婚する
親のためだけに結婚することはもちろん違いますが、あなたがもしいつか結婚しようと考えているのであれば、親が元気なうちに結婚姿を見せてあげることも一つの親孝行かもしれません。結婚すること自体が目的ではなく、幸せになっている姿を見せてあげることが大事です。
孫の顔を見せる
これも親の重要なライフイベントの一つです。親の世代は赤ちゃんや小さい子どもを見ると子供世代以上に喜ぶ人が多いですが、昔自分達があなたを子育てしていた時代を思い出し、幸せになる側面もあると言われています。自分の孫となるとその喜びはなお一層です。結婚同様、あなたがいつか子どもを生みたいと考えているのなら、できる限り早く生んであげることで、親が孫の成長を見て幸せを感じる期間も増やせます。
年越しを一緒に過ごす
あと何回親と年末年始を過ごせるでしょうか?結婚すると相手の実家に帰省したり、子どもが生まれると新しい家族や親戚と過ごす時間も増える傾向にあり、実は親と過ごせる年末年始はそう多くありません。友達や恋人と過ごすのも素敵ですが、たまには親と過ごすのはいかがでしょうか。
親と一緒にお酒を飲む
お酒好きな親だったら、子どもと一緒に飲みながら語らえると喜びます。帰省するときに親が好きなお酒を手土産に買ってあげたり、あなたが好きなお酒を教えてあげるのも良いでしょう。普段話しにくいことも、お酒を飲んでいるときだと話しやすくなることもありますよね。
夏休み・GWなどの長期休みに顔を見せる
長期休みは友達や恋人と旅行に行くのも良いですが、長い休みだからこそ実家でゆっくり過ごしてみたらいかがでしょうか。年々体力が無くなると家にいる時間も多くなります。子どもが帰ってくるととても喜びますよ。
母の日・父の日で感謝を伝える
母の日や父の日、ギフトを贈ってる人が多いと思います。親はプレゼントはもちろん嬉しいですが、それに加えてメッセージカードがあったり、そもそもプレゼントが無くとも電話やLINEで感謝を伝えるだけでもとても喜んでもらえます。
一緒に旅行にいく
親の世代になると、年々旅行に一緒に行ける人が少なくなります。また行きたい場所があっても、良い宿を探せない親も多いです。子どもが一緒に付いて行ってあげたり、予約の面でサポートしてあげると親の負担も減り喜んでもらえます。
写真を撮る
親との思い出を残しておくことは大事です。いつもの何気ない風景が、親がいなくなった後はとても貴重な思い出になります。帰省する度に写真を撮るのを習慣にすることもおすすめです。
初任給でプレゼントを渡す
初任給をもらったら、今までの親への感謝の気持ちを込めて、何か記念に残るものをあげたり、少し良いレストランで食事をご馳走してあげるのはいかがでしょう。大事なのは金額ではなく気持ちなので、感謝の気持ちもその場ではしっかりと伝えましょう。
一緒に食事に行く
家族でよく行くお店や、あなたのお気に入りのお店を教えてあげるのも素敵です。高齢の親だと、脂っこい食べ物やガヤガヤしたお店が苦手な方もいるので、和食のレストランや、落ち着いた雰囲気のお店を選んであげるとより喜ばれます。
非日常体験をプレゼントする
親は日頃テレビで様々な情報に触れていますが、いざ何かに興味を持ったとしても、自分ひとりでやってみることが難しかったりします。親がやりたくてもできていなかったことを一緒にやってあげたり、また親が普段経験していなさそうな非日常の体験をプレゼントするのも素敵なことです。コンサートに行く、BBQやキャンプに行くなど、あなたにとっては普通のことでも、親にとってはとっておきの非日常体験になることもありますよ。
親の誕生日をお祝いする
これはテッパンですが、親の誕生日は忘れないようにしましょう。親の世代になると誕生日はもう慣れたイベントにはなりますが、子どもからお祝いしてもらえる気持ちが嬉しいものです。逆に忘れられたら、自分は大事にされていないのではと不安に思う人もいます。お祝いするのにギフトは必須ではなく、LINEや電話だけでも喜びます。年に1回、カレンダーに忘れずに登録して、お祝いをしてあげましょう。
感謝の気持ちを伝える
最後になりますが、感謝の気持ちを伝えることが大事です。他人なので思っていることは言葉に出さないと伝わらないため、伝えても伝えすぎということはありません。誕生日や母の日・父の日などはもちろん、帰省したときやふと思い出したとき、ふと思い出したらいつでも何回でも親へ感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。
親孝行のプレゼント6選
続いては、親孝行にぴったりなプレゼントを紹介していきます。
花・フラワーギフト
60代になると、終活を意識する人も多く、物を極力減らしたいという思考の人も多いです。そのため残るものよりは、お花のようなギフトの方が喜ぶ人も多いです。母の日のカーネーションをはじめ、誕生花や、親の好きな色のお花を贈るのも良いですね。ネットショップでは多くの種類のフラワーギフトがあるので、ぴったりなものを探してみてはいかがでしょうか。
お取り寄せグルメ
お花のように、お取り寄せグルメも、物を減らしたい親にとってはぴったりです。あなたが好きで食べているものや、自分では買えないようなちょっと高価なものや、テレビやネットで有名なものなどは、話題にもなりおすすめです。最近だとレンジで調理できるお惣菜などもあり、毎日料理を作ってる親にちょっとラクさせてあげられるものも喜ばれます。
グラス
実家のグラスが揃っていなかったり、専用のちょうど良い大きさのグラスがなかったりすることはありませんか?ビールジョッキ、日本酒のおちょこ、ワイングラス等、普通のコップを使っているとせっかくの飲み物を最大限楽しめません。もし家にないものであればプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
お酒
お酒好きの親であれば喜ばれます。親が好きなお酒や、旅行にいった先でのお土産として、あなたが気に入って飲んでいるお酒など、お酒を飲みながら話も膨らみますね。親の世代だとスーパーの缶ビール・缶チューハイ等を飲んでる人が多いので、海外のクラフトビールや、酒屋やネットでしか買えないお酒等、珍しいものをあげるのも非日常体験になりおすすめです。
名入れグッズ
還暦等の節目のお祝いや、結婚記念日など、特別なイベントごとには名入れグッズもおすすめです。
家族旅行
親は物以上に思い出を残せることに喜びを感じます。なので家族で一緒に行ける旅行をプレゼントするのもおすすめです。高齢の親だと遠出や長期の旅行だと疲れる場合も多いので、近場で行ける温泉や、そこまで移動が大変でない旅行先だと良いでしょう、昔行った思い出の地や、親がずっと行きたくて行けていなかった場所等、親にも希望を聞いてみながら決めるのが良いです。
自分は親孝行できているのか
「自分は親孝行できているのだろうか」そんなことを思う人も多いようです。
親孝行をしたくてもできていない人が多い
調査によると、親孝行できていると感じている人は21%と大変少なく、ほとんどの人は不十分に感じているという結果が出ています。[3]
親孝行ができていない理由として、「具体的に何をしたら良いかわからない」「お金に余裕がない」「時間がない」ことがあるようです。
親孝行は親を大切に思うことのため、そのように親のことを大切にしたい、と思っていること自体が親孝行ではないでしょうか。
[3]出典:本当の親孝行って、何だろう?(大東建託)
[4]出典:「親孝行ができている」のは約2割!今どきの親孝行調査をフェリシモが発表(PR Times)
親孝行したい時に親はなし
「親孝行したいときに親はなし」ということわざを聞いたことがあると思います。
これは江戸時代の川柳で、辞書では下記のように説明されています。[]5
”子が親の愛の有り難味を知り、孝行しようと思える年齢には親は既に死んでいるものだと教える語。孝行できなかった後悔を背負わないよう若い頃から孝行しておくことを勧める意図を含むことがある。”
親孝行の起源
親孝行の起源は、古代中国にさかのぼり、東洋思想の倫理観であると言われています。『常用字釈』(白川静著)によると、もともと「孝」の字は「老」の上の部分と「子」を組み合わせた形であると解釈され、子どもが老人によく仕えることを意味します。[6]
親と過ごせる残りの時間
以下は、親と実際に過ごせる期間です。[7]こうして見ると思ったよりも少なくてハッとする人も多いと思います。
親孝行をしたくても、親が亡くなってしまった後は親孝行ができません。
人間の命は有限で、親だけでなくあなた自身にもいつ何が起こるかがわかりません。思い立ったら後悔しないうちにすぐに親孝行を実践しましょう。
[5]出典:孝行したい時に親はなし(Weblio)
[6]出典:いま、親孝行のあり方を見直す(テンプ ナレッジマガジン)
[7]出典:本当の親孝行って、何だろう?(大東建託)
親孝行の後悔
親が亡くなってしまい後悔している人が世の中には多いようです。
下記のような後悔の想いを綴っている人も見受けられます。[8]
- 親の生き生きした写真をもっとたくさん撮っておけばよかった
- 親が元気なうちに一緒に旅をして思い出をつくりたかった
- 親がどんな人生を歩んできたか? 話を聞いておけばよかった
- 親の「最後の望みや心の声」を聞いてあげればよかった
[8]出典:インタビュアーが伝えたい「親が死ぬ前にやっておけばよかった10のこと」(tayorini)
親が元気なうちに親孝行しよう
親孝行は親が元気なうちしかできません。
後悔しないうちに今日から親孝行をはじめましょう。
株式会社親孝行ドットコム
代表取締役の角田藍美(すみたあいみ)